社会・人文情報学研究系

研究分野

情報技術は,我々の社会や文化、コミュニケーションの基盤となっている.それだけではなく,情報技術の発展は人間という存在に対するわれわれの見方を大きく変容させてきた.今日,「脳がある種の情報処理装置であり,知性はその情報処理の帰結である」という主張が社会的に受け入れられる背景には,言語,記憶,学習,認識といった人間の知的なこころのはたらきが情報科学によって(部分的にではあるが)実現されていることがあるといえる.それと同時に,コンピュータビジョン,人工知能,マシンラーニング,といった用語からも窺えるように,情報科学も人間をメタファーとすることで,その発展の方向性を見出してきた.このような,情報科学と人文・社会科学系領域のかかわりは,認知科学,計算言語学など多様な学問領域を醸成してきた.人間の情報処理は未だ十分に解明されてはおらず,人間のこころの営みは情報科学にとってもフロンティアであり続ける.また,情報技術は、人文・社会科学系領域における強力なツールを提供することで,計量言語学,図書館情報学など多様な応用領域を生んできた.本研究系は,数理・情報科学的観点から,文化,言語,人間の探究を行う.